猫さんのブラッシングで使うブラシをいろいろと紹介します。
■ 猫さんをブラッシングしてあげる必要があるの?
まず、猫さんにブラッシングが必要かどうかということですが・・・
■短毛種の場合
毛が生え換わる時期の換毛期などはブラッシングが必要となります。普段は猫さん自身の毛づくろいで十分足りますが、換毛期は抜け毛が増えます。
ブラッシングをしてあげることで、吐く毛玉の量を減らすことができます。毛玉を吐くこと自体は正常ですが、できれば猫さん側の負担を減らしてあげたいということと、毛玉を吐いたことによる家の汚れをできるだけ防ぐという意味でも重要です。
猫さんとのコミュニケーションとしてもブラッシングをしてみてください。
■長毛種の場合
ブラッシングは必須です。こまめにブラッシングをしてあげてください。長毛種の猫さんももちろん自分で毛づくろいしますが、毛が長い分、飲み込む毛の量が多いので、腸などで毛が丸くかたまる「毛球症(もうきゅうしょう)」になり、腸などがつまって最悪の場合は手術が必要となります。そういったことを事前に防ぐために、ブラッシングする必要があります。
毛がかたまってしまうとハサミで切るしかない状態にもなってしまいます。丁寧にできるだけ毎日ブラッシングしてあげてください。毛がからむので嫌がる子も多いのですが、少しずつ慣れさせてあげる必要があります。
ブラッシングとは別の話ですが、長毛種の子が下痢になると、肛門近辺にウンチが付いてしまい、それをきれいにしてあげるなどのお世話が必要となります。短毛種だと下痢でも大して体毛には付きません。
猫さんにお世話の時間をかけてあげられる時間が少ない方には、長毛種はおすすめしません。
■ほかに、ブラッシングを必要とする猫さん
老猫は体がかたくなって全身の毛づくろいが難しく、毛が汚れやすくなります。ぜひ、積極的にブラッシングでお手伝いしてあげてください。
1匹で暮らす猫さんや多頭でも他の猫さんが毛づくろいしてくれない猫さんについては、人間が手伝ってあげると喜びます。
特に喜んでもらいやすい、顔まわりのブラッシングについては、YouTube「ねこのいえチャンネル」で紹介しています。ご覧ください。
■ ブラシの種類いろいろ(使用中のもの)
猫用のブラシにはいろいろな種類があります。
現在、いしまる家で使用中のブラシは2本、クシ1本です。まず、それらを紹介します。
■金属製のブラシ
毛が取れる量はすごく多いです。「ごっそり」取れるので、心配になるくらいです。実際は、不要な毛が取れているだけなので、心配は必要ないです。換毛期などには向いています。若干、刺激が強いようで、普段は猫さんに嫌がられることが多いです。
◎使用中ブラシ:金属製のファーミネーター ブルー 小型猫 短毛種用 S サイズ(FURminator)
ファーミネーターは、毛を落とすボタンのようなものが付いていて、毛の処理が楽です。
似た商品で「フーリー (FoOlee) ペット用ケアブラシ M グリーン」も使用していましたが、基本的には使い心地は一緒です。こちらは毛を落とせるようにはなっていません。
■スリッカーブラシ
クッション質の台座に、金属製の細い棒が刺さっているクシです。いしまる家で使っているのは、金属の先にビニルの球が付いているタイプです。付いていないものもあります。こちらは「FURminator(ファーミネーター)」に比べるとソフトな使い心地のようで、嫌がられることはほとんどありません。毛の取れる量は普通です。
◎使用中ブラシ:スリッカーブラシのプレシャンテ ハードスリッカーブラシ 短毛犬・短毛猫用 S サイズ(ペティオ)
■ノミ取り用クシ
通常使用ではありませんが、ノミが発生する時期にはステンレス製のノミ取りクシを使います。ノミをすくい取るには、細かい目のクシが最適です。このクシですいてあげると、毛並みもきれいにはなります。
◎使用中クシ:ONS 高級ノミ取り櫛 共柄
ノミ取りクシを使いつつ、ノミ取り薬も併用します。病院または通販でも手に入ります。
■ 過去に使用した・猫シッター先で使用したブラシ
ここでは、過去に使用したブラシや猫シッター先で使用しているブラシについてです。
■豚毛ブラシ
豚の毛を使ったブラシが販売されています。過去に使用してみましたが、いしまる家の猫さんたちは猛烈に嫌がりました。においが気に食わないのだと思います。
うちで引き取り隣の義両親宅で暮らしてもらった、ロシアンブルーの老猫さんは豚毛ブラシが大好きでした。老猫さんで自分で毛づくろいがなかなかできなくなってくると、ブラシを問わず嬉しいのかもしれません。
基本的には毛のつや出しなどの、仕上げ用に使うブラシです。
◎過去に使用したブラシ:スーパーキャット (Super Cat) おウチ・クチュール 豚毛ブラシ OC-19
■手袋タイプ
猫シッター先で時々見かける手袋タイプのブラシです。
メリットは、なでているだけで毛がとれるので、ブラシを嫌がる長毛種の子などには効果的かと思います。
デメリットは、手袋部分の毛が取れにくいので、少し衛生面が気になるかなと感じます。
◎使用例:【正規品】 ペットブラシ グローブ 手袋 猫 ブラッシング ブラシ 1ペア 抜け毛取り クリーナー マッサージブラシ 犬 グローブ ペット毛取りブラシ お手入れ グルーミンググローブ
■猫舌のようなもの
猫の舌はギザギザしていて、毛づくろいがうまくしやすい形状をしています。その形状を参考につくられた商品があります。
「ねこじゃすり」については、猫シッター先で使用されているご家庭があります。使用中のご家庭の猫さんは、ねこじゃすりで顔まわりなどをなでてあげると、とても気持ちよさそうにしていました。
メリットは、猫舌の形状を真似ているだけあって、猫さん的には気持ちよく嬉しいようです。
デメリットは、毛づくろいという感じのため、毛はほとんどとれません。また、商品によっては高額です。
大手メーカーのライオンが新商品を出しました。2021年9月現在使用したことがまだないので、使い心地は分かりません。猫舌のような使い心地は、一緒のようです。
■コロコロ粘着テープ
コロコロの粘着テープで背中などをコロコロしてあげるご家庭が、猫シッター先では複数あります。ソフトな感じで毛もそこそこ取れるのが、猫さん的には気持ちいいのかもしれません。
メリットは、猫毛が付いたものを捨てやすく毛が散らばりにくいことと猫専用品ではないので、住まいの中で目立ちにくいです。コミュニケーション的に使用されているように感じます。
デメリットは、専用品ではないので、毛の取れる量はそこそこです。粘着テープのため、ノリが猫毛に付くのが気になるかもしれません。
◎使用例:【セット】ニトムズ コロコロ 本体 コロフル カラーテープ(レッド) フローリング・カーペット対応 1巻入+スペア コロフル カラーテープ(レッド) フローリング・カーペット対応 2巻入
■ラバーブラシ
樹脂製やゴム製のブラシです。これらのブラシをお持ちのご家庭は多いのですが、これを喜んでくれる猫さんに会ったことがありません。
メリットは、安価でお手入れしやすそうです。
デメリットは、好む猫さんが少なそうなことです。素材によっては、静電気が気になると思います。乾燥する冬は特に静電気が起きやすいので、パチッとなると猫さんから嫌われます。
◎商品例:ペティオ (Petio) プレシャンテ 猫用ラバーブラシ
■ペット用バリカン
猫シッター先で長毛種の猫さんのご家庭では、ペット用バリカンをお使いのことがあります。肉球まわりの毛などを刈ってあげると、フローリングなどで滑りにくくなります。また、サマーカットなどをするご家庭ではお使いのようです。
メリットは、不要な毛を刈ることができるので、ハサミを使うよりは安全かもしれません。
デメリットは、ペット用なので音が控えめですが、慣れていないとジーという音に怖がって使えません。使用する側もこわいと感じます。
◎使用例:ペティオ (Petio) Self Trimmer コードレスバリカン ディテール
ブラシも複数種類ありますが、猫さんが嫌がらずに目的を達成できるご家庭に合ったものをぜひ見つけてください。
猫との住まいで参考になる、著書『猫と住まいの解剖図鑑』(エクスナレッジ)を、ぜひ、ご覧ください。