固まる猫砂はたくさん種類があります。どれを選べば良いか迷われる方も多いと思います。4つの原材料のメリット・デメリットといった特徴を見つつ、選ぶ際の7つのポイントをまとめました。

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固まる猫砂の原材料は、鉱物系・食品系・木質系・紙系の主に4つ。

固まる猫砂は種類がたくさんあるように感じますが、主な原材料は4つです。それぞれの粒の形状や色は、大まかには下記のようなものが多いです。

猫砂も猫トイレも完璧なものは、残念ながらありません。

鉱物系・食品系・木質系・紙系の4つの原材料それぞれに、メリット・デメリットがあります。また、各項目の優先順位はご家庭によります。これらの特徴をふまえて、各ご家庭に合うものや現状よりは良いものを選ぶといった考え方です。

■ 固まる猫砂選びの7つのポイント

固まる猫砂を選ぶ際の参考になる7つのポイントを解説します。最後に表にまとめていますが、4つの原材料の前に4段階の評価(◎、○、△、×)も記載して、1項目ずつ解説します。

  1. 猫が使うかどうか
  2. 安全性(=粉じん)
  3. 消臭度
  4. 固まり度(=粒の大きさ)
  5. 重さ(=散らばりと関係)
  6. ゴミ処理
  7. 価格

4つの原材料の比較で、「5重さ」と「7価格」で具体的に比較している猫砂は下記です。これらは、Amazon売れ筋ランキングで各主成分で上位にランキングしている猫砂から選びました。食品系については、もう少し上位のものもありましたが、成分に着色料や香料などがふくまれているため、食品系を選ぶメリットが低くなるため、食品系にこだわっているものにしぼって選びました。

■鉱物系  ライオン「ニオイをとる砂」https://amzn.to/3GfKtVT

■食品系  ペグテック「トフカスタブ」https://amzn.to/3pTOcT0

■木質系  常陸化工「トイレに流せる木製猫砂」https://amzn.to/3qOnpa5

■紙系  アイリスオーヤマ「ペーパーフレッシュ」https://amzn.to/3JKTtEk

ポイント1:猫が使うかどうか

猫さんは猫砂に対する好みがそれぞれあります。特に、好みがうるさい子は「使わない猫砂」というものがあります。

猫さんが使ってくれないと、猫砂としての役目を果たせませんので、猫砂選びの第一条件は「うちの子が使うかどうか」です。これを満たせないものは選択肢に入りません。

一般的な猫砂の切り替え方法は、

  1. いま使っている猫砂と半分ずつ混ぜて使い始める
  2. 猫トイレを追加して、新しい猫砂を入れて使うかどうかをみる

といった方法をとります。ご自宅の猫さんが使うかどうかを、まずは、猫砂1袋で試してみましょう。

いしまる家では、写真の三毛縞みーちゃんが猫砂については一番好みが厳しいです。みーちゃんが砂として認識してくれないと使えません。システムトイレも使ってもらえませんでしたし、鉱物系に近い猫砂以外は使えません。

「1:猫が使うかどうか」という視点の、各主成分の特徴は下記です。

※ここでは例外的に、使わないかどうかは猫さん次第のため、◎〜×といった評価にしています。

◎〜× 鉱物系

砂の粒が小さく、猫さんが好みやすいため、猫さんが使ってもらえることが多いです。お外で暮らしていた猫さんでも、なかには使えない子もいます。

○〜× 食品系

使ってくれる子は多いですが、食べ物の香りがするため、なかには食べる子がいます。食べ物の香りと排泄物のニオイで嫌なニオイと感じる場合があります。

○〜× 木質系

使ってくれる子は多いですが、主な主成分のヒノキのニオイを嫌がり使わない子がいます。また、比較的粒が大きいため、砂として認識しにくいようです。

○〜× 紙系

使ってくれる子は多いですが、紙のメリットの一つである「軽さ」と粒の大きさから、遊んでしまう子がいます。かなり遠くまで猫砂を飛ばしがちです。なかには、砂と認識できず、使えない子もいます。

ポイント2:安全性(=粉じん)

1つ目のポイントの「猫が使うかどうか」をクリアしましたら、2つ目のポイントからようやく猫砂のメリット・デメリットを考えた上での選択となります。

猫砂は猫さんが毎日使うものですから、猫さんの体に安全なものを選びたいと考える方は多いです。猫さんが砂かきをすると、どうしても猫砂の粉が舞い散ります。猫砂を新品で入れた当初は粉じんが無い猫砂でも、使っているうちに細かくなってきて粉じんは出てきますので、猫砂の成分と粉じんの多い・少ないで安全性を考えます。

「2:安全性(=粉じん)」という視点の特徴は下記です。

× 鉱物系

粉じんが多く、鉱物系で多い成分の「ベントナイト」は粘土質で、吸い込みには注意が必要です。できれば吸い込んでもらいたくない成分です。

◎ 食品系

吸い込んだとしても、食べ物由来のため害が小さいです。食品系をうたう猫砂の中にも着色料や香料など体に害があると言われているものが含まれているものがある。成分をよく見て選ぶ必要があります。

○ 木質系

自然素材のため少し害が小さいです。わりと安心な素材ですが、凝固剤やポリマーなどの使用がある場合があります。

△ 紙系

紙系で多い成分は「再生パルプ」のため、漂白剤や凝固剤の使用があります。

ポイント3:消臭力

猫トイレのニオイの問題で悩むご家庭は多いと思います。猫トイレのニオイの問題は、人間のトイレとは違い、ウンチやオシッコを水で流すことはなく、その場にとどまってニオイを発し続けることで発生します。

人間用のトイレで猫にトイレをしてもらうように訓練するご家庭もなかにはありますが、猫本来の排泄方法からはほど遠いため、猫の福祉という観点では猫砂をかけて排泄するという本来のやり方での排泄方法をおすすめします。

自動で水に流れることがない猫トイレで、ニオイの問題を少なくする方法の1つが「猫さんの砂かけ」です。猫は本来キレイ好きですし、排泄物のニオイを隠そうとする習性がある動物です。そのため、猫が猫砂だと認識しやすく砂かきしやすい砂は、排泄物に砂をかけてもらいやすくなります。砂かきしやすい猫砂は、一般的に粒の小さい砂です。

また、原材料でニオイを解決しやすいかどうかという視点でみていきます。これらから、消臭力は、猫さんが砂かけ度合いと原材料で考えます。

「3:消臭力」という視点の特徴は下記です。

◎ 鉱物系

砂の粒が小さく、猫さんが排泄物に砂をかけてもらいやすいです。そのためニオイがしにくいです。

○ 食品系

猫さんの砂かけ度合いは普通です。食品系の香りで嫌なニオイを消すやり方です。時々、香りとニオイが合わさって、嫌なニオイになることもあります。

○ 木質系

砂の粒が比較的大きくなりやすいので、猫さんの砂かけ度合いは普通からやや悪いです。主にヒノキの香りで嫌なニオイを消すやり方です。

△ 紙系

砂の粒が比較的大きいので、砂かけ度合いはあまり良くありません。また、紙そのものでニオイを防ぐことは他と比較すると難しいため、比較的ニオイを発しやすいです。

ポイント4:固まり度

固まる猫砂を選んでいる方は「固まり度」を重視される方もいます。猫さんがオシッコをしたあとに固まった猫砂をトイレ掃除で取りのぞきますが、その際、ぎゅっと固まってくれているとお掃除が楽です。

あまり固まらずにオシッコを含む小さな砂がバラバラと散らばると、取り切れずにニオイの元になります。お掃除が楽という点とニオイの問題が発生しにくいという点で、猫砂の固まり度は重要です。

猫砂の固まり度は、猫砂の粒の大きさと原材料が影響します。

「4:固まり度」という視点の特徴は下記です。

◎ 鉱物系

砂の粒が小さく、粘土質のベントナイトを含有することが多いため、オシッコなどの水分を吸収して固まりやすいです。

○ 食品系

粒の大きさは普通ですが、コーンスターチなどを使っていることが多いため、固まりやすいです。コーンスターチはプリンなどで使われている、「ゲル化」に役立つ食材です。

△ 木質系

砂の粒が比較的大きくなりやすいです。木そのものは水分を吸って固まるという性質は低いです。木質系で自然素材にこだわったものほど、ボロボロと砕けます。木質系で「しっかり固まる」といったうたい文句のものは「ポリマー」などの水分を吸収しやすい素材を使っていることが多いです。成分をよく見てみましょう。

○ 紙系

砂の粒が比較的大きいですが、紙は水分を吸収するので固まりやすいです。

ポイント5:重さ

猫砂はわりと重さがあります。1袋ずつ使うことになりますので、重さについては使用する袋単位で考えます。

最初に挙げていた猫砂4種類で具体的に比較しました。重さはAmazonに記載されているものを参照しています。

「5:重さ」という視点の特徴は下記です。

× 鉱物系

鉱物系の猫砂のデメリットの1つは、重さです。ずっしり重いため、猫砂の交換も運ぶのも大変です。置き場所も低めの場所を用意する必要があります。

重いですが、砂の粒が小さいため、家中に粉っぽさが広がるのもデメリットです。

△ 食品系

砂のつくりにもよりますが、意外とずっしりと重いです。

○ 木質系

固まるタイプの木質系猫砂は、水を吸い込みやすくするために、比較的、密度が低くつくられているので木質系にしては軽めです。たとえば、システムトイレ用の木質系猫砂は崩れないようにギュッと固めてあるため、「ニャンとも清潔トイレ 脱臭・抗菌チップ 大容量 極小の粒」「ニャンとも清潔トイレ 脱臭・抗菌チップ 大容量 大きめ」は2.75Kg/4.4Lで、密度は高めです。

◎ 紙系

紙の猫砂のメリットの1つは、軽さです。取り扱いやすさはありますが、軽い分、猫砂が飛び散りやすいです。

ポイント6:ゴミ処理

猫砂の使用後に、どのように捨てるかが問題になってきます。ゴミ処理は、可燃・不燃・トイレに流せるかどうかの視点で考えます。

「5:重さ」という視点の特徴は下記です。

× 鉱物系

鉱物系の猫砂のデメリットの1つは、ゴミ処理です。自治体によって扱いは変わりますが、基本的に鉱物系の猫砂は「不燃ゴミ」で出します。

◎ 食品系・木質系・紙系

3つとも同じ説明となるため、まとめました。基本的に、食品系・木質系・紙系の猫砂は「可燃ゴミ」で出すことができます。

なかには「トイレに流せる」とうたう猫砂もあり、人間用の水洗トイレに使用後の猫砂のオシッコの固まりやウンチを流すご家庭もあります。

注意が必要なのが、メーカー側も猫砂の袋に書いていますが「猫砂の使用1回分ずつ水を流すこと」といった説明があります。つまり、猫さんのオシッコ1回分の固まりごとに、水洗トイレの水を流して使用してほしいということです。この使い方を守っていないためか、猫砂が原因で人間用トイレがつまるといったトラブルが起きています。こまめに水を流してお使いください。

ポイント7:価格

消耗品で使用後は捨てる猫砂は、あまり費用をかけたくないものです。価格については、4つの猫砂で具体的に比較します。おおまかには、4つの原材料別の特徴がでていると思います。

価格については分かりやすくするため、リットルあたりで比較します。

「7:価格」という視点の特徴は下記です。

△ 鉱物系

意外にも比較的価格が高くなります。原材料を採取する費用、重さによる輸送料などの問題でしょうか?

× 食品系

原材料にこだわっているものは、価格が高くなりやすいです。おからなどを使っていることが多いです。

○ 木質系

意外と高くありません。

◎ 紙系

紙の猫砂のメリットの1つは、価格の低さです。

■ まとめ:固まる猫砂選びの7つのポイント

固まる猫砂の7つのポイントのメリット・デメリットなどの特徴を表にまとめました。各ご家庭で重視するポイントは変わってくると思いますので、まず、「うちの子が使うかどうか」を最初に確認した上で、ご家庭ごとに合う猫砂を試してみてください。

Amazonの売れ筋ランキング2022年1月3日時点の順位も記します。

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次回のブログ記事では、4つの原材料(鉱物系・食品系・木質系・紙系)の良い点を掛け合わせたハイブリッドの商品について検討します。

いしまる家で愛用中の木質系+鉱物系のアイリスオーヤマ「ウッディフレッシュ」も登場します。